オキュラーサーフェスと私
屈折矯正手術
金井 淳
1
1順天堂大学部眼科学教室
pp.161
発行日 1997年10月20日
Published Date 1997/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410905625
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オキュラーサーフェスの概念をわが国に定着させたのは,北野周作教授の日眼総会での特別講演1)であり,この言葉を聞く度に北野教授のお顔が浮かぶほど,私にとって先生の御講演は印象深かった。感染などの防御機構としての眼球表面の保護や,防御に眼球表面全体の組織が密接に連携していることが理解できた。
オキュラーサーフェスは外的要因の影響を直接受けるため,視機能へ直接影響されることがある。特に角膜は眼内への感染防御の最前線に位置していると共に,屈折の最大の因子でもある。角膜への手術的アプローチにより,屈折力を変える屈折矯正手術にはRK・PRK・LASIK・Stromal Inlayなどが挙げられる。エキシマレーザーによる角膜瞳孔領部の凹面状切除術(PRK)は,一時的にも正常なオキュラーサーフェスを破壊している。紫外線領域である193nmの組織への照射は,培養細胞レベルでは核への変異原性が確認されている2)が,in vivo下での細胞への影響は長期の経過観察が行われていない現在,未知である。
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