銀海余滴
これからの病院における眼科診療体制について—パラメディカル職の設置,オープンシステム化
茂木 劼
1
1虎の門病院眼科
pp.1330
発行日 1969年11月15日
Published Date 1969/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410204176
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最近の医学の進歩は,医療内容の向上とともに,病院における診療体制にも変化をもたらしつつある。中央検査室の設置によつて大抵の全身的検査は,検査伝票によつて依頼すれば可能となつてきた。しかしながら眼科の診療においては,ほとんどすべての検査を眼科外来のなかで行なわなければならないのが特徴である。一方眼科の専問医の供給不足もあり,従来医師によつて行なわれていた検査のうち,医師でなくてもよい検査は次第にパラメディカルの人に移されていく傾向にある。しかし各種の検査が一部これらの人によつて行なわれうるとしても,長時間を要する検査に対しては,予約制が必要となつてくる。
眼科におけるパラメディカル職の設置や予約制は,すでにいくつかの大学や病院において実施されているところであるが,実例として虎の門病院眼科では,昭和38年検眼士の名の下に,視力矯正,屈折調節検査を主として行なう職種を設置して以来,42年4月に検査助手1名,43年4月に眼科検査士と名称を改めてさらに1名増員し,計3名が常時外来において各種の検査に当たつている。このうち短時間で行ないうる検査は随時行なつているが,比較的長時間を要するゴールドマン視野検査,螢光眼底撮影,眼鏡処方希望の屈折調節検査は,主として午後に予約制で行なつている。また医師が行なう眼底検査のうち,高血圧,糖尿病で内科から依頼された患者の眼底検査は,月曜から金曜まで毎日午前4〜5名を予約している。
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