中小規模病院の運営
医療関係職(パラメディカル・スタッフ)の働きと中小病院
岡田 玲一郎
1
1(財)社会医療研究所
pp.460-462
発行日 1982年5月1日
Published Date 1982/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207750
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主題の原稿の依頼を受けて,筆者は気の重いものを感じた.それは,例えばH県にみるように,いわゆる「レントゲン学校」のない地域の民間病院を主とした中小病院にあっては,現実にはナースにレントゲン撮影をさせたり,無資格者をしてレントゲン撮影させている多くの例をみるからである.更に,PT (理学療法士)の不足は全国的であり,O県においては初任給が50万円であったり,K県においては30万円であるなどという現実を知るからである.
一方,栄養士や薬剤師は,ほとんどの地域で過剰であり,その賃金も対看護婦を対象とすれば低落の一途をとっている.したがって,一概にパラメディカル・スタッフと言っても,その職種によって病院内で占めるウェイトがかなり異なってくるということである.現実的に言って,薬剤師や栄養士が退職するのに際しては,さして慰留しない病院にあっても,レントゲン技師やPTが退職を申し出た場合には,その充足に困難を来すので強く慰留する場合が多いのである.殊に,昨年6月の診療報酬の改定以来,PTの需要は高まるばかりで,いまや完全に売手市場と言ってよいであろう.
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