Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒言
Bangerter,Cüppersらにより提唱せられた新らしい弱視治療法は,従来遮閉法を行なうしかなかつた弱視の治療に,種々な訓練器械,訓練方法を取り入れ,pleopticsとして独立した領域を作るに至つた。しかるに近年,これら訓練の効果に関し,疑問とするもの,有効例はあるにしても期待されたほどのことはないとする報告がみられ,早期の遮閉法による予防,早期治療が強調される傾向になつてきた。元来,Bangerterらも,弱視は早期発見,早期治療(遮閉法)がすべてに優先することを強調しており,英国のように,これが早くより行なわれているところでは,Banger—terらの訓練法の普及は欧州ほどにはなかつた。現実問題として,この乳幼児の遮閉法ですべて解決できるものならば,pleopticsは極言すれば不用ということになる。しかし本邦の現状をみても,乳幼児の遮閉法の施行がそれほど徹底しているとは思われず,斜視弱視,不同視性弱視が,学童期に入つてはじめて眼科医を訪れる症例も少なくない。
本邦における弱視や斜視に対する診療の普及,熱意は十分とはいえない。その理由は,いくつかのものがあげられるが,Bangerter法,Cüppers法の器械や設備,orthopticsの器械に要する経費,訓練士の不足など,経済的問題や,技術的面などがひとつの理由としてあげられる。
A questionnaire was issued to various ophthal-mological clinics in Japan concerning the out-come, indication and method of evaluation of active pleoptic therapy. While the general im-pression about the efficacy of pleoptic treatment in 30 clinics who reported to the survey varied from good to questionable, it has not been pos-sible to arrive at an objective comparative eva-luation of various pleoptic methods due to great discrepancy in indication, frequency, intensity and methods of diagnosis from one clinic to an-other.
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.