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I.緒言
臨床眼科18巻12号1403頁,1964で「脳神経と眼科」と題して佐野教授,鹿野教授が対談されてから,この問題の混乱が始まつた。著者はこの混乱を救うために〔「脳神経と眼科」佐野教授,鹿野教授の対談を拝見して〕を臨床眼科19巻7号907頁,1965に掲載した。
その後井街教授,深道博士,佐野教授が担当されて,この問題について宿題報告をされることになつた。しかしこのメンバーでは一般臨床眼科医が望んでおられるchiasmaより前方,眼窩に入るまでのいわゆる視神経管骨折の諸問題の解明にはならないのである。それは井街教授,佐野教授は開頭により視神経管の上壁を論じ,深道博士は経篩骨蜂巣手術法により視神経管の内下壁,前方1/2までの不十分な開放術を論ぜられるからである。すなわち内壁,上壁をともに一時に手術をして,視神経の十分なる減圧手術を行なわない方々ばかりで宿題報告されたところに問題があろう。
A description is given on a 34-year-old male in whom intractable pain in the left frontal area and deterioration of vision OS to hand movement set in due to contusion of the head one month before. Complete disappearance of pain and im-provement in vision resulted through exentera-tion of maxillary, frontal and sphenoidal sinus and removal of brittle bone fragments consti-tuting the mesial orbital wall.
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