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I.緒言
近年緑内障に対して,全身的または局所的な治療薬が開発され,その効果はみるべきものがあるが,どの症例にはどの薬物が最も有効であり,しかもこれがどの部面を改善するのかを知つた上で用うべきである。また長期の薬物療法では,はじめのうちは有効であつても,後には効果が薄らぎ,ときにはまつたく効果がなくなつてくることもあるので,経過を観察するとともに常に治療薬の効果いかんということを念頭において管理に当るべきものと思う。
むろん,各症例で最も有効であり最もよい治療薬というのは,眼底所見をはじめとして,視力,視野,眼圧,調節,角膜知覚などあらゆる所見を改善し,かつこれを持続させるものであることはいうまでもないが,諸検査の中でどの検査に重点を置き,その成績から有効性いかんを判断したならば最も信頼性があり最も確実であるかにつき,数年にわたり検討してきたところ,これにはこんにちのところ,眼圧の日内変動を仔細に検査することが第一で,これにtonographyを参考として行なうことが,最もよいとの結論に達したので,緑内障の群討議でもこれについて強調したのであるが,今回は症例を挙げて,詳細に報告し,大方のご批判を乞うしだいである。
Twenty-one cases of wide-angle glaucoma and one case of narrow-angle one were treated thr-ough topical medication and were followed up for 3 months to 2 years. In deciding upon the ophthalmic solution to be administered to each patient, preference was given to the preparationthat minimized the diurnal variation of IOP as studied on the third or fourth day after regular instillation of the eyedrop to be tested. The most suitable preparation was thus selected from 0.005% Arminum, 2% pilocarpine, 0.1% Demecarium bromide and 0.06% Phospholine iodide as candidates.
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