Japanese
English
臨床実験
チトクロームC (チトマック)の使用経験
Treatment of Chitocrom C.
百々 隆夫
1
,
根来 良夫
1
Takao Dodo
1
,
Yoshio Negoro
1
1京都府立医科大学眼科学教室
1Kyoto Prefectural University of Medicine.
pp.1069-1074
発行日 1964年9月15日
Published Date 1964/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410203032
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I.緒言
チトクロームは動植物の生体内にあつて細胞呼吸に重要な役割を演ずる酵素で,a,b,c,c1の4種が認められている。この内チトクロームCは馬,牛の心筋又は,パン,酵母等から容易に抽出精製される鉄ポルフィリン蛋白で104個のアミノ酸より構成される。(第1図)
チトクロームCの作用機序は生体のエネルギー代謝,即ち消化された食物がT.C. Aサイクルを通つて究極的に生じた水素と,呼吸によつて導入された酸素とが結合して,エネルギーと水を生ずる過程において,環元型チトクロームC (Fe++)は酸素に電子を与えて酸素を活性化(O2→O--)し,自らは酸化型チトクロームC (Cyt.C→Cvt.C(Fe++)(Fe+++))となる。次いで酸化型チトクロームCは水素から電子を奪つて水素を活性化(2H→2H+)し,自らは還元型チトクロームCとなる。このようにして水素に酸素が作用する反応を活性化せしめて細胞呼吸を円滑に進めている。(第2図)
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