今月の主題 生体内の酸化と還元
技術解説
チトクロームP−450の測定法
今岡 進
1
,
舩江 良彦
1
Susumu IMAOKA
1
,
Yoshihiko FUNAE
1
1大阪市立大学医学部化学研究室
キーワード:
チトクロームP−450
,
分子多様性
,
ウェスタンブロッティング
,
糖尿病
,
絶食
Keyword:
チトクロームP−450
,
分子多様性
,
ウェスタンブロッティング
,
糖尿病
,
絶食
pp.287-294
発行日 1989年3月15日
Published Date 1989/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913931
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チトクロームP−450(以下,P−450)は,生体外異物の解毒,ステロイドの生合成,代謝,トロンボキサンの合成,ビタミンD3の活性化など,生体にとって重要な働きをする反面,化学発癌物質の活性化など好ましくない作用を有するものも知られている.生体に薬物を投与するといくつかの新しいP−450が誘導されたり,さらに最近では糖尿病などの病態時においてP−450が誘導されることが報告され注目されているが,誘導によって,薬物代謝能が非常に増加したり,発癌物質の活性化能が増加したりすることはよく知られている.さらにヒトでは,ある種のP—450分子種が遺伝的に欠損している例が報告されており,生体の代謝活性に重要な影響を与えていると考えられている.
現在P−450分子種の定量は主にウェスタンブロッティング法を用いて行われているが,薬物代謝,発癌などさまざまの面からP−450を定量することは,今後有用になってくるのではないかと思われる.
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