日本トラホーム予防協会会誌
W.H.O国際トラコーマ專門委員会報告
中村 康
1
1日本医科大学
pp.1265-1270
発行日 1955年10月15日
Published Date 1955/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202362
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1)私の国際トラコーマ專門委員会に出席する経緯
私が此会に出席する事になつた事情を簡単に述べて置く。此の国際トラコーマ委員会がW.H.Oの中に設立された経緯について私は明らかでないが,戦後日本から其委員を一人選出することになつて当時フアイザー会杜の依頼でテラマイシンの日本のトラコーマに対する治療効果を報告し,且つ石原教授の下でトラコーマの研究をした事のある三井幸彦博士が田宮,庄司教授等の推薦で前回のトラコーマ專門委員会に出席したのであつた。今回は日本からの推薦がなく,先方から直接に私を名指し参り,一方は直接に他方は厚生省を通し,專門委員に推薦任命して来たのであつた。
惟ふに昨年Nataf博士が日本を訪問した折に私のトラコーマ病理写真2000枚以上のものを熱海で見せ又第17回国際眼科学会の折は田中千枝博士に急性トラコーマと診断する患者を見せてもらい,其の実際を胸に入れ,次で世界一週の途次サンフランシスコでThygeson博士と,伊太利でBietti教授と,更にW.H.Oのトラコーマ関係者と私が持参したトラコーマ写真を中心に,私のトラコーマ研究の成果を数時間かゝつて話しあつた結果,此等の人々が推薦したものであろう。
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