談話室
鹿兒島茂先生の憶い出(其の2)
南 熊太
1
1久留米大学
pp.742-743
発行日 1954年6月15日
Published Date 1954/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201916
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恩師鹿児島茂先生は,昭和28年8月10日御逝去になりました。先生の憶い出は誠に盡きぬものがありますが今回は先生の70歳古稀の祝の日の憶い出を書く事に致しましよう。実は此の記事の原稿は大体書き上げていたものが昭和28年6月の水害にて全然駄目になつたので別に保存していたメモ書きを基として書き改め写真は令息から更に送つて頂いたりしたものである。
昭和28年2月より鹿児島先生門下生,熊本大学眼科学教室同窓生,熊本眼科集談会々員の有志の中の世話人により計画が進められ,主として,熊大須田経宇教授,国立熊本病院眼科部長緖方昇博士等の御盡力により準備も順調に進行し,昭和28年3月21日熊本市大江町九品寺597の先生のお宅にて古稀の祝が行われた。当日は上天気の春分の日,然も連休にて私は久留米から出掛けて行くのに列車もバスも何れもハイキング,ピクニツクの人等で超満員で何れも楽しそうであつた。車窓から櫻の花を見ながら大正15年3月の熊本医大予科に受験に来た時の事を想い出した。先生は大正15年1月に熊本医大教授として御着任になつていますので先生は教授として私は予科の生徒としてではありますが,同じ年に熊本に於ける生活が始つたのである……等と色々先生のことを想いながら熊本に着いた。
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