特集 眼科臨床の進歩Ⅱ
網膜血管
網膜血管徑の計測と類症鑑別—特に蛋白尿性綱膜炎の由來の鑑別に就て
三國 政吉
1
1新潟大學眼科
pp.673-682
発行日 1953年11月10日
Published Date 1953/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201619
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
種々の眼底疾患の場合に網膜血管徑に變化が現はれて,血管が太かつたり,細かつたりすることは検眼鏡所見のうちで一つの大事な所見であるがこれを只觀た感じで論ずることは甚だ不確實なことで,正確には計測によるべき事は申す迄もない事で,血管徑に限らず,すべてものを科學的に觀察するためには現はれた變化を量的に數字で取扱う必要がある。このような見地から私はここ數年來眼底,就中その測微計測に屬する網膜血管徑の計測に就ての研究を進めつつあるものであるのでここでは教室で行つている方法を紹介し,從來この方面の研究のうちでも興味深いものと考えられる蛋白尿性網膜炎の由來の鑑別の問題,即ちその綱膜炎が慢性腎炎に由來するものか,惡性腎硬化症によるものかの鑑別が可能なりや否やの問題に就て若干述べてみたいと思う。
Copyright © 1953, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.