臨床實驗
レチネン還元酵素系(其の3)/レチネン還元酵素系(其の4)
古城 力
1,2
1日本銀行醫務室眼科
2東京大學醫學部生化學教室
pp.481-487
発行日 1952年6月15日
Published Date 1952/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201192
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VitaminA1,VitaminA1 aldehyde (retinene1)を酸化還元するレチネン還元酵素は,Wald1)氏の言う樣に還元傾向が大であるか否かは,酸化還元電位を測定すれば明らかになることであり,若し酸化傾向が大であるとすれば,レチネン還元酵素と呼ぶのは不適當で,ビタミンA酸化酵素と言うべきである。網膜の榮養は中心血管,毛樣血管に依存して居り,殊に後部網膜はメラニン色素,血管に富んでいる脈絡膜から榮養を補給されていると言つてよかろう。從つて脈絡膜は此の酵素系に直接エネルギーを補給しているのではないだろうか,更に飛躍すると此の酵素系は網膜のみに存在するのではなくて脈絡膜にもあるのではないかと言う疑問が起つて來る。
其他本編に於ては至適温度,酸及びアルカリに對する態度等の基礎的事項を合せて追究してある。
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