臨床實驗
前頭蜂窠Bulla frontalisの蓄膿に併發した眼窩膿瘍治驗
桑島 治三郞
1
,
堀内 敏男
1
1東北大分院眼科
pp.307-309
発行日 1952年4月15日
Published Date 1952/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201133
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周知の如く眼窩はその外側壁の一部を除き上壁は前頭洞に,側壁は篩骨蜂窠前中群に,後方は篩骨蜂窠後群及び楔状洞,下壁は上顎洞に依つて夫々圍繞され,部位に依つては紙状菲薄の隔壁で境され,時には骨缺損あり,或いは唯,軟部組織のみによつて境されるなど,H.Marxに依れば凡そ眼窩壁の三分の二以上が副鼻腔壁と薄い骨板を境界として共有する。兩者のこの密接な局所解剖的關係のみならず,副鼻腔の形態に多く個人的異常が認められる事實は兩者の關係をいやが上にも複雑化している場合がある。これらの點に就いてはOnodi,De Kleirn以來指摘されているが,特に篩骨蜂窠と眼窩との關係は極めて變化多く,Marxに依れば,前篩骨蜂窠が伸展して時に眼窩上壁の一部に迄達しているような場合には實際診療上にも重要性を加えてくる場合があると言う。
又極めて稀れに前頭洞の眼窩壁が缺損し紙板裂溝に依つて境されている場合のあることはZucker-kandleも觀察している。
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