臨床實驗
角膜刀を利用した前房内注入と前房洗滌と前房穿刺
佐藤 勉
1
,
柴田 博彦
1
1順天堂醫科大學
pp.801
発行日 1951年12月15日
Published Date 1951/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201014
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ペニシリンや空氣や血液やその他種々の藥剤を前房内に注入する方法や,治療上なかなか有效で,しばしば適用したい症例に遭遇するものだが,注射針を前房内に刺し込むのに,相當の技術を要するのでおいそれと氣輕に行えるとゆうわけにわゆかない。
ところがこの時に佐藤の角膜刀1)を利用するとまことに安全で,容易に注入を行う事が出來る。それにわ,角膜輪部の任意の點で,任意の方向(角膜中心え向けずに半經と30〜60度くらいの角度をなす方向がよいようである)にむけて角膜刀を刺込み,前房に到達させる。もちろん刀わその刄の側面が虹彩面と略々平行になるようにねかぜて用いる。これわ曲槍状刀による前房穿刺よりはるかにやさしい。刀身の半分以上が前房内に入ればそれで充分目的を果した事になるから,直にこれをぬく。私の處方通りの角膜刀なら,この傷から前房水がひとりでに洩れる事わない。前房水を洩らしたいと思つたら,傷の附近をスパーテルで壓して出せばよい。
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