臨床實驗
カラーフイルムによる眼底冩眞撮影に就て
馬詰 嘉吉
1
,
林 一男
2
,
松尾 治亘
1
1東京醫大眼科
2東京冩眞短期大學
pp.748-751
発行日 1951年11月15日
Published Date 1951/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200993
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眼底を撮影する冩眞機には有名なZeiss-Nord-ensonの眼底冩眞機がある。最近の米國の文献を見ても,矢張りこの機械を用い,光源又はカメラのホルダーを改良して,カヲーフイルムの撮影を行つている。我が國でこの機械を備える所は,私達の知る範圍では九州と新潟の眼科教室である。本邦に於けるこの方面の文献を尋ねると誠に寥々たるもので,新潟の眼科教室に於てこの機械によりモノクロームの冩眞を撮り綱膜の血管の計測を行つている。カラー・フイルムによる撮影に至つては寡聞ではあるが未だその報告に接しないのである。馬詰と松尾は,1昨年來内藤式の固定検眼鏡と電氣検眼鏡を用い眼底の撮影を企圖していたが種々の事情で行き悩んでいた。偶々昨年の4月東京眼科集談會の席上に於て,Bedell氏の作成したカラー・フイルムによる立派な眼底冩眞を,Hull氏が供覽した。夫によつて一層我が國に於けるこの方面の開拓の必要を痛感した。
昨年の9月以來,著者の1人である林と共同研究を行うに至り今日に及んだのであるが,その結果は,パンクロ・フイルムによる白黒の冩眞は相當の成果を擧げることが出來た。然しカラー・フィルムによるものは,未だ滿足と云う點には至らないが一應の成果を得たので茲に報告する次第である。
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