臨床實驗
眼瞼に螫口を有する恙虫病に就て
米山 高道
1
,
茨木 政夫
1
1新潟大眼科
pp.752-753
発行日 1951年11月15日
Published Date 1951/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200994
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恙虫病は新潟縣に於ては信濃川及び阿賀川,山形縣では最上川,秋田縣では皆瀬川の沿岸において毎夏流行的に發生する地方病で,恙虫或は赤虫と呼ばれる1種の蝨(Trombicula akamushi)に螫されて起る急性發疹性の熱病で,これがRickettsia tsutsugamushiにょり起るものである事は今日周知の事柄である。
螫口は通常皮膚の比較的柔軟な鼠蹊部,陰部,腋窩腰腹部等にあることが多く,眼瞼に螫口を有する例としては恙虫病第1回調査報告48例(明37)中に1例左内眥鼻涙管開口部の稍々外方にあった例と,川村教授(大14)の90症例中1例右側上眼瞼の右側眼眥に近き處を螫された例を見るのみである。
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