臨床實驗
馬蹄傷に因る部分的視神經陷凹の1症例
萩野 裕
1
1千葉医大眼科
pp.232-233
発行日 1951年4月15日
Published Date 1951/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200821
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緒言
外傷に依つて視神経が,眼球の鞏膜孔から断裂して後方に去るものを,Salzmann氏(1903)はEvulsio ner-vi optici (視神経陷裂症)と名づけ,其れ迄の報告者の例を集めて一種の眼外傷とし,其特徴として(1)視神経乳頭の変化,(2)乳頭周囲の網膜及び血管の変化,(3)視力の亡失等を挙げた.其後も視神経乳頭に陷凹を生じた症例が追加せられて來た.我國では近藤氏(昭和5年)が視神経陷凹症と訳して以來此の名称が用いられておる.私は最近視神経陷凹症とも云5べき1例に接し経過を観察する機会を得たので,初診時の病歴に稍々不備な点の有る事を遣憾とするが,興味有ると思われるので茲に報告する.
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