臨床實驗
動的檢影法に依る調節遲滯の研究(1)
石井 菖蒲
1
1岡山大學醫學部眼科教室
pp.188-191
発行日 1951年3月15日
Published Date 1951/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200806
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
動的檢影法は1902年Crossによつて發表され其の後Sheard (1922),Nott (1925〜1926),Ketchum (1926),Lea (1928),Pascal (1929),Swarnn (1929),Howe,Lawnence等により推敲された眼屈折檢査法である。普通行われている靜的檢影法が原則として全く無調節の状態で遠距離の目標を凝視し,一眼の屈折状態を檢査する遠點檢査法であるのに反し,動的檢影法は近方の一定點に調節,輻輳を充分定位した眼の調節を測定する兩眼性檢査法であつて,近業用眼鏡の選定に適する唯一の實際的他覺的檢査法ばかりでなく,又調節機能,調節性輻輳との間の關係を研究するに便利なものである。尚動的檢影法に於ては瞳孔が縮小する爲により大きな瞳孔の場合に比べ周邊部の球面收差が除かれる利點がある。動的檢影法の原理と手技とは前共軛焦點が無窮遠の點でなくして固視點である以外は靜的檢影法と略々同じであると考えてよい。先ず正視或はレンズを以て正視の状態に矯正した屈折異常を有する被檢者をして眼前33糎の位置にある細字を讀ませる。今もし被檢者かこの糎の離に正しく調節しているならば共軛焦點の法則により,此の點で動的檢影法を行つている檢者には影法は中和して見えるはずであるが,一般には中和しないで寧ろ同行するのが見られる。從つて之を中和するのには常に輕度の凸レンズを必要とする。
Copyright © 1951, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.