綜説
眼科領域に於ける開頭術(下)
桑原 安治
1
1慶大眼科
pp.507-511
発行日 1950年12月15日
Published Date 1950/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200729
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緒言
視神経疾患は眼科領域に於て,其の原因の把握する事の困難なものの隨一にあげられる.其の主たる理由は,視神経の大部分が頭蓋内に在つて,眼底に於いては僅かに乳頭を覗き得るに過ぎないからである.開頭術を試み直接に視神経(頭蓋内部,交叉部)を詳細に観察し,少からず得る所があつたので,手術記録を整理して昭和22年眼科講習会に於て講演を試みた.其の内容を本誌創刊号に掲載したが,紙面の都合上手術術式のみを記載し其の他は次号に讓つたのである.所が種々なる事情の爲に甚しく延引した.其の間井街,生井,大橋諸氏により種々なる報告がなされ,此の方面の知見は漸次豊富となり診断治療に大なる寄與をなした.長い間の文責を果す爲余は眼科講習会以後の症例も加え,再び手術記録を整理して総括的に述べ度いど思う.
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