私の經驗
青年反復性網膜硝子體出血に對するレントゲン療法に就て
生井 浩
1
1九大眼科
pp.301-302
発行日 1950年7月15日
Published Date 1950/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200630
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私は綜合眼科雜誌第39卷(昭和19年,1944)の誌上に於いて,青年反復性網膜硝子体出血の出血機轉に就いて論じ,本症に見る再三反復して発來する出血は,本病の経過中,網膜及び硝子体内に発生する新生毛細管よりの出血が主たるものであることを指摘した.そして此の新生毛細血管の発生機轉として次の事項を挙げた.
1)結核性網膜血管炎が発生すると,其の血管の内皮細胞が増殖して血管の破裂に対抗しようとする.そして血管内腔は狭窄され,遂には増殖内皮細胞や浸潤細胞で血管が閉寒されるようになる.このようにして血液の循環が障害される結果,其の血管周囲の網膜,更に硝子体中にも多数の毛細血管が新生され,それ等が互に吻合して側行枝を形成するようになる.
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