臨床實驗
Vitamin Aと光神との關係に就て
桑原 安治
1
,
伊藤 寛
1
,
坂上 俊彦
1
,
土肥 直方
1
1慶應義塾大学医学部眼科学教室
pp.528-531
発行日 1949年12月15日
Published Date 1949/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200493
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緒論
ビタミンAが吾々の生活に極めて必要であることは周知の事実である.然るに一度V.A.が欠乏すると諸種の眼症状傳染性疾患に対する抵抗力の減弱,蛔虫に対する罹感率の増大その地種々の症状が現れてくる.それらの疾患の中で特発性夜盲症が最も顯著であるので,眼科領域ではV.A.欠乏症の研究の中心が特発性夜盲症に置かれ,感覚生理学的に或は病理学的に各方面から多数の研究が行われている.ところが自覚的には夜盲を訴えない程度であつても体内のV.A.量が正常以下に減少するとビタミンA減少症と呼ばれ,この時期には体力が減弱することが判明するに及んで近來大いに注目されるに至り,特に現今の如き食糧事情においては,更に大なる意義の存するととが明かになつてきた.
ところでV.A.減少症の体内におけるV.A.を測定する方法は大別して次の二つがある.
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