特集 第7回臨床眼科学會
普通講演
(53)鼻疾患と緑内障との關係に就て(抄録)
大村 博
1
1東京醫大
pp.313
発行日 1954年2月15日
Published Date 1954/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201789
- 有料閲覧
- 文献概要
由來如何なる眼疾でも左右何れかに限局するか或は左右何れか輕重の差がある。此の理由を知らんと感じ鼻疾と緑内障との關係に就て調べたので報告する。症例は10例で4例は原發性緑内障6例は緑内障の疑いのあるものである。鼻腔通氣障害側と眼底の高い側と一致するもの10例中8例である。尚鼻科的つは副鼻腔炎,萎縮性鼻炎,鼻中隔彎曲症,扁桃腺肥大等が認められた。以上の事から緑内障發生に際し鼻疾が一つの役割を演じている事に就て説じ.そのメハニスムに就て植物神經,翼口蓋神經節,毛樣神經節,眼窩並に眼球内血管の循環障害等の眼壓に及す影響より推説した。要するに鼻疾或は鼻腔通氣障害が眼疾の左右罹患性に及す意義を強調し批判を仰ぐ次第である。尚他の眼疾に就ては後日述べる積りである。
Copyright © 1954, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.