Ⅱ臨牀實驗
網膜後極部にみるBlessig腔洞
菅 一男
1
1三重醫大眼科
pp.204-205
発行日 1949年5月15日
Published Date 1949/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200369
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緒言
網膜鋸齒状縁及び其附近の網膜組織内にみる腔洞形成(嚢腫樣變性)をBlesslg腔洞或はCl-wanoff浮腫という.私は日眼4卷に於て本腔洞形域が男子に著名なる事,耳下側に著明なる事,眼軸の短き者に著明なる事を明らかにし,之等の事はかの網膜鋸齒状縁裂孔が男子に多い事,耳下側に好發する事,非近視眼に好發する事と一致している點から鋸齒状縁孔は其多くが本腔洞に基因するものであると記載しておいた.
此の事は本腔洞より裂孔の生じ得る可能性を立證したものである.從つて鋸齒欺縁以外の網膜組織内に於ても本腔洞に類似の變化があれば其者より裂孔が生じ得る譯であり,かのVogtが裂孔が嚢腫樣變性より生ずると推定せし事を立詮したものとも考え得られる.然らば事實鋸齒状縁以外の網膜組織内に於ても本腔洞類似の所見を認め得るであろうかという事が問題になる.私は匐行性角膜潰瘍を有する高度近視眼球の網膜後極部に此の事を認め得たので以下その大要を報告する.
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