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今年も昨年同様に,日本臨床眼科学会の専門別研究会の1つとして行われてきた黄斑研究会がSpecial Interest Meeting(SIG)として行われた。近年,黄斑研究会は若干メディカルレチナに重きを置いて進んできた。一方,黄斑分野では近年画像診断の進歩が著しく,さまざまな黄斑疾患の病態解明・治療技術の進歩に大きく貢献してきており,硝子体手術後の網膜の形態もより詳細に評価することが可能となった。そこで本年は,本来の本研究会の前身であった専門別研究会Closed eye surgeryに立ち戻り,進歩の著しいサージカルに重きを置いて,画像診断の進歩に基づく最近の手術成果と今後の方向性について検討された。
具体的には,硝子体手術の著しい進歩の一方,抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)抗体硝子体内投与をはじめとする薬物治療の開発が進み,今まで硝子体手術を行ってきた網膜疾患の一部では現在薬物療法による加療により良好な結果が得られてきている。本年の研究会においては,薬物療法が主に行われている加齢黄斑変性,日本では薬物療法よりむしろ手術療法が行われている糖尿病黄斑浮腫(diabetic macular edema:DME),今後新しい薬物療法(Ocriplasmin)の適応が進んでくると考えられる黄斑牽引症候群や黄斑円孔などについて,今後の治療方針を見据えたうえでの硝子体手術成績,そして,さらに進化していく画像診断による硝子体術後の観察,さらなるsmall gaugeからの硝子体手術などの現状・将来の可能性について5人の研究者が口演し,活発な討論がなされた。
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