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特集 中心性漿液性脈絡網膜症の病態と治療
関連因子からみた病態
Mechanism of central serous chorioretinopathy discussed with the risk factors
本田 茂
1
Shigeru Honda
1
1神戸大学大学院医学研究科外科系講座眼科学分野
pp.156-159
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104591
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はじめに
中心性漿液性脈絡網膜症(central serous chorio-retinopathy:CSC)は30~50歳代の男性に好発する疾患である。臨床的には脈絡膜から網膜下への漿液性漏出を主体とする病気で,脈絡膜血管の拡張や透過性亢進などの所見がみられるが,それらの発生メカニズムや原因についてはほとんどわかっていない。疾患の経過中に自然治癒がみられる一方,しばしば再発し,治療が困難なケースも少なくない。また,CSCは加齢黄斑変性,特にポリープ状脈絡膜血管症(polypoidal chroidal vasculopathy:PCV)の危険因子の1つに数えられることもあるが,両疾患の病態的な関連性については現在に至るまで不明である。
本稿ではCSCの関連因子をまとめ,同疾患の病態メカニズムをできるかぎり生化学的に考察する。また,CSCと加齢黄斑変性における疾患の分子生物学的共通性および相違性を検討する。
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