今月の表紙
増殖性糖尿病網膜症に伴う線維血管増殖膜(200°画角)
高田 雄介
1
,
鈴木 康之
2
1大阪大学医学部附属病院
2東海大学八王子病院
pp.1721
発行日 2012年12月15日
Published Date 2012/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104532
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54歳,男性。2002年に糖尿病網膜症と診断され,その後受診を自己中断した。2004年より治療を再開し,2007年に汎網膜光凝固術を施行された。翌年以降は受診しないまま2011年に牽引性網膜剝離を指摘され,当院に紹介され受診した。初診時の視力は(0.1)で,進行した増殖性糖尿病網膜症に線維血管増殖膜を伴い,牽引性網膜剝離は黄斑部に達していた。血液検査ではHbA1c 7.3とコントロールはやや不良であった。
撮影はOPTOS社製200Txを使用した。このカメラは撮影画角が200°と広いため,睫毛の影が撮影画像周辺部に写り込みやすく,一般的に使用されている50°画角の撮影時の開瞼状態では不十分なことがあるため,しっかりと開瞼することが大切である。本症例の撮影時の注意点としては,眼底と増殖膜とで適度な撮影光量が異なるという点である。眼底を強調すると増殖膜がハレーションを起こし,逆に増殖膜を強調すると全体的に暗い画像となってしまう。画像全体の情報量も多いため,明るさなど全体のバランスを考えながら撮影した。
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