特集 高齢患者の眼科手術
高齢患者の眼科手術
2 硝子体疾患
増殖糖尿病網膜症
島田 宏之
1
Hiroyuki Shimada
1
1駿河台日本大学病院眼科
pp.96-98
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410904038
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●高齢者では,網膜剥離を伴わない症例の比率が高い。しかし,非網膜剥離例であっても術後に0.5以上の視力が得られる症例は少ない。
●長時間の手術に耐えられない症例では,他眼の視力が良好であれば黄斑部を含む広範な網膜剥離例などに対しては,積極的な手術適応とはしない。高齢者であっても,長時間の手術に耐えられる場合には,通常どおりの適応基準により手術を行う。
●術後にとれる体位を考えた上で,タンポナーデ物質の種類を選択する。再出血の予防効果があり,術後の体位が楽で,早期に退院できるという点からは,シリコンオイル注入も利点がある。
●硝子体手術前,術中,術後に白内障手術を行った症例の比率が高い。高齢者では,コンタクトの使用は無理であり,手術回数を少なくする目的からも,原則として硝子体手術と同時に眼内レンズ挿入を行ったほうがよい。
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