特集 眼科診療:5年前の常識は,現在の非常識!
1 屈折・調節の異常,白内障
■検査
コントラスト感度・コントラスト視力・実用視力
平岡 孝浩
1
1筑波大学大学院人間総合科学研究科疾患制御医学専攻眼科学分野
pp.24-31
発行日 2011年10月30日
Published Date 2011/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103902
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ここが変わった!
以前の常識
●白内障手術をはじめとしてさまざまな治療の効果を判定する際に,従来はスタンダードな視力検査(明室において100%コントラストの視標を用いて測定)で視機能評価を行うのみであった。つまり,非常によい条件下での視機能評価にとどまっていた。
●コントラスト感度検査も行われていたが,非常に限られた使用であり,多くは研究目的であった。
現在の常識
●視覚の質は従来の視力検査だけでは評価できない。
●多焦点眼内レンズや非球面レンズ,またwavefront-guided LASIKの登場など,白内障手術や屈折矯正手術においても,より高度化・複雑化した器具や手法が臨床応用され,コントラスト感度を用いた詳細な視機能評価が不可欠となってきた。
●波面センサーの開発により高次収差の定量化が可能となり,眼球の光学特性を詳細に評価することが可能となった。これを背景として視機能についてもより詳細な評価を行おうとする潮流が加速され,コントラスト感度測定の臨床応用が急速に広まってきた。そして,さまざまな病態において高次収差とコントラスト感度の深い関連が確認されるようになった。
●視機能を連続的に評価できる実用視力計が開発され,時間というファクターが加味された視機能評価が可能となった。現在,さまざまな疾患や治療において臨床応用が進んできている。
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