話題
Purkinjeメータの可能性
西 悠太郎
1
1西眼科病院
pp.1687-1689
発行日 2011年10月15日
Published Date 2011/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103886
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はじめに
眼内レンズの偏位は,非球面眼内レンズ,トーリック眼内レンズおよび多焦点眼内レンズ挿入眼における術後成績を悪化させうる1~7)。これまではスリットランプによる主観的な評価法や,Scheimpflugカメラ8)を用いて眼内レンズの偏位が測定されたが,前者による評価法では検者により測定値のばらつきが出る可能性があり,後者の方法では角膜のmagnificationにより誤差が生じうる9)。Adobe Photoshop®を用いたレトロイルミネーション画像分析による眼内レンズ偏位の測定も試されたが10),傾斜が測定できなかった。
最近,Purkinjeの光反射を用いて眼内レンズの偏位を評価する方法,いわゆるPurkinjeメータが開発された11~16)(図1)。この機器は,角膜と眼内レンズにおけるPurkinjeの光反射をデジタルカメラを用いて撮影し,精密なソフトウェアにより眼内レンズの位置を計算するものである9)。画像撮影は非接触型でフラッシュを用いず,簡便で瞬時に施行できる。このシステムを改良することで正確に眼内レンズの位置を測定し,術後成績に眼内レンズ偏位がどのような影響を与えるのかを評価することが将来可能になるかもしれない。
本稿の目的は,Purkinjeメータを簡潔に紹介することである。
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