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連載 視野のみかた・12【最終回】
両眼開放視野
Binocular visual field
松本 長太
1
Chota Matsumoto
1
1近畿大学医学部眼科学教室
pp.268-275
発行日 2011年3月15日
Published Date 2011/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103562
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はじめに
日常臨床における視野検査は,一般的に片眼を遮蔽して行われる。視野検査を片眼ずつ行うことは,各種眼疾患の診断,経過観察における基本的な手法である。しかしながら,われわれの日常では片眼でものを見ることは少なく,多くの場合は両眼開放下で視覚情報処理が行われている。視機能を評価する項目は多数あるが,一般的に多くの視機能は単眼視に比べ両眼視で向上する。この両眼加算(binocular summation)は視野検査でも認められ,基礎的な心理物理学的実験において,さまざまな検査条件下での両眼加算に関する要因が検証されている1~6)。日常生活における視機能を考えるとき,この両眼開放下での視野を理解することは,患者のQOV(quality of vision)を考えるうえで非常に重要となる。
ここでは,両眼開放視野を理解するうえで基本となる考え方と,両眼加算に影響を及ぼすさまざまな要因について考えていきたい。
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