今月の表紙
水晶体融解緑内障
薄井 紀夫
1
,
鈴木 健司
1
,
天野 史郎
2
1総合新川橋病院
2東京大学
pp.137
発行日 2011年2月15日
Published Date 2011/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103534
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症例は91歳,女性。前医からぶどう膜炎,緑内障の診断で紹介され受診した。視力は右0.1(0.6),左手動弁,眼圧は右6mmHg,左37mmHgであった。細隙灯顕微鏡検査では,左眼で著しく硬化・混濁した水晶体核を背景にキラキラと浮遊する融解水晶体が観察された。3日後に水晶体を全摘出し,前部硝子体切除および眼内レンズ縫着を行った。また右眼に対しても超音波水晶体乳化吸引術および眼内レンズ挿入術を施行した。術1年後の視力は右0.3(1.0),左は黄斑部にわずかな萎縮を認めるために0.1(0.4)にとどまったが,術前のキラキラをニコニコに変えていまでも元気に通院中である。
撮影にはトプコン社製のSL-D7を使用した。バックグラウンドはoff,少しスリット幅を太くして角度を残し遠近感をつけて撮影した。できればもう少しスリット幅を細くしてほぼ真横から撮影することにより,深度を浅くしてキラキラと浮遊する融解水晶体のピントを均一に合わせたかったが,融解した水晶体が角膜後面に付着しスリット光を遮ったため,照らされる浮遊物が少なく見えてしまうのでこのように撮影した。
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