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特集 新しい手術手技の現状と今後の展望
角膜内皮移植術(DSAEK)
Modern techniques in corneal endothelial keratoplasty and future directions
小林 顕
1
Akira Kobayashi
1
1金沢大学附属病院眼科
pp.176-183
発行日 2011年2月15日
Published Date 2011/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103541
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はじめに
角膜内皮細胞がさまざまな原因により傷害されその密度が極端に減少した場合,最終的に水疱性角膜症を発症する。ごく最近まで,全層角膜移植術が水疱性角膜症の唯一の根治的な治療法であった。全層角膜移植術は約100年の歴史を有する確立された移植医療であるが,角膜全層に円形の垂直切開を行うため,眼球の脆弱性,縫合糸に関連した感染症,拒絶反応,術後の高度角膜乱視,オープンスカイサージェリーに起因する駆出性出血などさまざまなリスクを有する。
これらの欠点を克服するためには角膜内皮層のみを移植(角膜内皮移植)できれば理想的であり,その実現に向けてさまざまな努力が行われてきた。本項では,角膜内皮移植術の現状と今後の展望について概説する。
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