特集 新しい時代の白内障手術
Ⅲ.高機能眼内レンズ
高機能レンズ時代のインフォームド・コンセント
根岸 一乃
1
1慶應義塾大学医学部眼科学教室
pp.204-210
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103427
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はじめに
白内障手術に関するインフォームド・コンセントは,超音波水晶体乳化吸引術が主流となった1990年代以降,基本的な内容は変わっていない。しかし超音波手術装置の改良により,手術の安全性が高まったことから適応も広がり,比較的視力のよい例でも手術適応になる場合がある。この意味で術後の屈折および屈折誤差,ひいては予想される裸眼視力に関するインフォームド・コンセントの重要性が増しており,白内障手術の屈折矯正手術としての側面が重視されるようになっている。さらに,視機能向上のための高機能眼内レンズが登場したことにより,眼内レンズの選択肢についても従来よりも詳細なインフォームド・コンセントが必要になっている。
以下,高機能眼内レンズが普及しつつある現状におけるインフォームド・コンセントの必要事項について,以前と変化している点を中心に述べる。
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