やさしい目で きびしい目で・123
基礎研究の突破口
柏木 佳子
1
1山形大学
pp.353
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103115
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私は農学部出身で,在学中は種子形成とジベレリン(種なしブドウ作りに利用される化学物質です)の関係について研究していました。動物細胞のことも学びたいと思っていた矢先に,縁あって山形大学附属病院寄付講座・眼細胞工学講座に奉職が叶い,眼科学研究を行う機会をいただいています。医師ではない私がこのような場を与えられ何を伝えられるかと考えましたが,やはり研究のことかと思いましたので,眼科研究に従事しながら,眼科の先生方と研究について感じたこと考えたことをお話させていただきます。
農学部では生命科学や栄養化学について学ぶものの,疾患については生活習慣病を除いてほとんど学ぶことはありませんでしたので,眼科研究を始めた頃,眼疾患の多種多様さ,治療法が確立している疾患についても熱心に研究が続けられていることに驚きました。後に,まだ解明されていない疾患や確立されていない治療法が多くあることを知りますが,見えるということは,痛みと同様にとても個人的なことであり,だからこそ多角的なアプローチが必要で,その技術を発展させるための努力が,絶え間なく続いていることにいまでも感動しています。
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