特集 助産婦と「専門看護師・認定看護師」制度
現場の婦長のとらえる専門看護師・認定看護師—勤務助産婦にとって専門性の突破口になるか
福井 トシ子
1
1杏林大学医学部付属病院産婦人科病棟・NICU
pp.968-974
発行日 1996年12月25日
Published Date 1996/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901601
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はじめに
合併症のある妊産婦さん,また複雑な家族背景を含めた,心理社会的ハイリスクをかかえる妊産婦さんが増加してきているのは勤務助産婦ならば誰もが実感しているのではないでしょうか。それではこのような妊産婦さんに対し,適切で助産婦も納得のいくケアが提供できているでしょうか。チームで連携を図りながら最善のケアを提供しようと努力し,さまざまな背景を持つ妊産婦さんを気にかけながらも,三交替勤務の中ではまた新たな妊席婦さんのケアに追われているのが現状ではないでしょうか。
そこで,一人ひとりの妊産婦さんに実践家としてエキスパートとしてのケアを提供し,助産婦に役割モデルを示し,さらには他の医療従事者に対してもコンサルテーションを行なうことを専門とする助席婦がいたらどうなのかと考えてみたいと思います。そして,たとえば修士以上の,研究を行なうことができると認定された助産婦と,私たちが共働することができるとしたらどうでしょうか。たとえどのような背景の持ち主の妊産婦さんに対しても,専門看護師(助産婦)によって納得のいくケアが提供できるようになるのではないでしょうか。
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