特集 緑内障診療―グレーゾーンを越えて
Ⅱ.治療編
2.薬物療法
プロスタグランジン関連薬の特徴と相違点
相原 一
1
1東京大学大学院医学系研究科感覚・運動機能医学講座眼科・視覚矯正科
pp.238-246
発行日 2009年10月30日
Published Date 2009/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102961
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はじめに
プロスタグランジン関連薬のうち,薬品名にプロストと付くプロスト系と呼ばれる系統は現在第一選択薬の眼圧下降薬となっているが,その歴史は他の薬剤と比べて浅く,1980年代から眼薬理作用が検討されてきた物質である。プロスト系プロスタグランジン関連薬が第一選択薬である理由は,病型を選ばず最大の眼圧下降効果が得られること,終日の眼圧下降効果,日内変動抑制効果,局所のみで全身的副作用がないこと,1回点眼であることなどが挙げられる。
いまや世界的には,ラタノプロスト(キサラタン®,ファイザー),トラボプロスト(トラバタンズ®,日本アルコン),ビマトプロスト(国外製品名ルミガン®),タフルプロスト(タプロス®,参天製薬)の4種のプロスト系のほか,ウノプロストン(レスキュラ®,参天製薬)を含めると合計5種類のプロスタグランジン関連薬が存在し,そのうち日本には4種類が導入され,ビマトプロストが発売予定である。本項では,この5種類のプロスタグランジン関連薬について総合的な特徴と各薬剤の相違点を解説したい。
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