ことば・ことば・ことば
硬化
pp.353
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102638
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強膜のことを以前は鞏膜と書いていました。『小眼科学』の戦前の版には,「鞏膜ハ鞏靭ナル腱様ノ膜ニシテ主トシテ結締織及弾力繊維ヨリ成ル」と出ています。Lederhautがドイツ語での強膜です。Lederは英語のleatherに相当しますので,「鞏膜」は名訳なのです。
話が変わりますが,昔の印刷所ではすべて,手で活字を拾っていました。印刷が終わると,活字はまた元の位置に戻され,再使用されます。印刷所では,眼科の論文はあまり歓迎されなかったそうです。「膜」が頻繁に出てくるので,「膜」の活字がすぐ品切れになるというのがその理由でした。確かに,結膜,角膜,強膜,脈絡膜,網膜など,「膜」が豊富にあります。
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