病気のはなし
動脈硬化
藤井 潤
1
1朝日生命成人病研究所
pp.6-11
発行日 1992年1月1日
Published Date 1992/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900913
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サマリー
動脈硬化(粥状硬化)は,動脈内膜に脂質が侵入してアテローム(粥状腫)を形成し,やがてカルシウムが沈着する病変である.その結果,大動脈では拡張,アテロームの潰瘍化,分枝部狭窄が起こる.アテロームの内容が流出し,末梢臓器にアテローム塞栓を起こすことがある.脳動脈,冠動脈,腎動脈,下肢動脈などでは内腔の狭窄,閉塞をきたし,臓器の虚血,梗塞(壊死)を招く.疫学調査によると,動脈硬化性疾患に罹患する危険を増加させる因子として高血圧,高コレステロール血症,喫煙などが挙げられ,これらは危険因子と呼ばれている.
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