特集 網膜硝子体診療update
Ⅰ.検査法update
高侵達光干渉断層計
安野 嘉晃
1
1筑波大学物理工学系応用光学研究室
pp.22-30
発行日 2008年10月30日
Published Date 2008/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102451
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はじめに
1991年の最初のデモンストレーション以来,光干渉断層計(optical coherence tomograph:OCT)は高速化・高感度化への道をたどってきた。この流れのなかで1990年代半ばにフーリエドメインOCT(FD-OCT)が発表され1,2),高感度,三次元でのin vivo眼底トモグラフィ撮影が可能となった。現在では商用の眼底FD-OCT装置が7社から発売されており,実際の臨床現場においても2~3秒という短時間で三次元の眼底断層像の撮影が可能となっている。さらには,現行の商用FD-OCTの10倍以上の速度をもつ超高速FD-OCTデモンストレーションも始まっている3)。
現状,ほぼ同じ方式,性能のOCTが7社から供給されていることからもわかるように,高速・三次元のOCTに対する要求・市場はすでに飽和しつつある。それでは,今後のOCT開発が進む先はどこにあるのだろうか。本項では,従来の速度・感度よりも定量化の難しいもう1つの特性である「OCTの画像侵達」について議論を行いたい。
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