特集 眼科専門医に必要な「全身疾患と眼」のすべて
13.皮膚疾患
Werner症候群
永原 幸
1
1東京大学大学院医学系研究科外科学専攻眼科学
pp.281-285
発行日 2007年10月30日
Published Date 2007/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102045
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はじめに
わが国の65歳以上の高齢者人口は2012年には3,000万人を超え,2055年には40.5%に達し,国民2.5人に1人が65歳以上という超高齢化社会が到来すると推計されている。老化という加齢に伴う生理的機能の低下は避けられない生命現象であるが,健康志向の高い日本人においてアンチエイジングへの関心が高まっている。疾病を伴わない老化は生理的老化であり,病的な老化は環境的因子(栄養,運動,ストレス,大気汚染など)や遺伝的因子(遺伝子的素因,遺伝子の損傷など)の影響による病的な状態を伴う。
代表的な疾患として高血圧,糖尿病,動脈硬化,癌,白内障,骨粗鬆症,認知症などが挙げられるが,遺伝的因子が関与するヒトの早期老化症候群の代表的なものとしてWerner症候群があり,幼年発症型のHutchinson-Gilford症候群(progeria)に対し,思春期後半に発症する。本項では,本疾患の特徴的症状と経過について述べる。
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