特集 眼科専門医に必要な「全身疾患と眼」のすべて
13.皮膚疾患
色素失調症
近藤 寛之
1
1福岡大学医学部眼科学教室
pp.286-289
発行日 2007年10月30日
Published Date 2007/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102046
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はじめに
色素失調症(incontinentia pigmenti,またはBloch-Sulzberger症候群)は遺伝性の眼・皮膚疾患であり,欧米では50,000人に1例の頻度でみられる。遺伝形式はX染色体性優性遺伝である。男児は通常致死となるため,女児にのみみられる。
1906年にGarrod1)は,色素失調症に特徴的な皮膚病変と四肢麻痺,精神発達障害を伴う症例を報告した。その後,Blochは皮膚と眼病変の病理所見より色素失調症と命名し,また,Sulzbergerは女性に遺伝する疾患であることと外胚葉由来組織が病変の場であることを示した2)。
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