Japanese
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連載 日常みる角膜疾患・46
Meesmann角膜ジストロフィ
Meesmann's juvenile epithelial dystrophy
川本 晃司
1
,
西田 輝夫
1
Koji Kawamoto
1
,
Teruo Nishida
1
1山口大学大学院医学系研究科情報解析医学系学域眼科学分野
pp.16-17
発行日 2007年1月15日
Published Date 2007/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101599
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症例
患者:71歳,男性
主訴:両眼視力低下
現病歴:学童期より両眼の視力低下を自覚していた。外傷の既往はない。以前より日中に羞明を感じることも多かった。近くの大学病院で診察を受けた際に両眼の角膜ジストロフィと診断された。その後はながらく経過を観察されていた。最近,両眼の霧視が強くなり白内障も指摘され,手術目的で2006年9月に当科を受診した。
初診時所見・治療経過:当科初診時の視力は右0.03(0.2×-4.00D()cyl-1.00D 180°),左0.03(0.3×cyl-4.00D),眼圧は右12mmHg,左11mmHgであった。細隙灯顕微鏡検査では両眼に角膜上皮下の微小囊胞が,反帰光線による観察では透明な微小囊胞がみられた。フルオレセイン染色では両眼角膜に点状表層角膜症が,また加齢に伴う水晶体の混濁が認められた(核・皮質白内障)。眼底には異常所見はなく,涙液分泌試験(シルマーI法)でも両眼とも異常所見はなかった。角膜内皮細胞数は右2,949cells/mm2,左3,058cells/mm2であった。上記の所見よりMeesmann角膜ジストロフィと診断し,両眼の視力低下は加齢性白内障によるものと考え,2006年10月に両眼の超音波乳化吸引術+眼内レンズ挿入術を行った。術後の両眼の視力は右(0.9×IOL),左(0.8×IOL)であった。
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