特集 眼感染症診療ガイド
II.診断・治療のポイント
ぶどう膜・網膜
【総論】ぶどう膜炎―感染か,非感染か
望月 啜
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科眼科学
pp.183-185
発行日 2003年10月30日
Published Date 2003/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101449
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はじめに
ぶどう膜炎は,感染性ぶどう膜炎,非感染性ぶどう膜炎,特発性ぶどう膜炎の3つのカテゴリーに大別されるが,そのなかで感染性ぶどう膜炎が占める割合は10~30%である。筆者が関係している2つの医療施設における感染性ぶどう膜炎の内訳を表1に示す。これらのデータから,➀ 地域差があること,➁ ウイスル感染に関連する疾患(急性網膜壊死,ヘルペス性虹彩炎,サイトメガロウイスル網膜炎,HTLV-1ぶどう膜炎など)が大きな比重を占めること,➂ 人畜共通感染症(眼トキソカラ症,眼トキソプラズマ症,猫ひっかき病)も重要であること,➃ 古典的な梅毒や結核によるぶどう膜炎は少ないが,結核性網膜血管炎と診断される症例は少なくないこと,などが感染性ぶどう膜炎の特徴として挙げられる。
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