視座
国際交流に思う
天児 民和
1
1九大
pp.3
発行日 1967年1月25日
Published Date 1967/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904173
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外国の学者との交流が盛んになり日本から海外に渡航する人も多いし,また反対に外国からも日本に来る人が多くなつた.その場合に我々として注意しなければならない2,3の問題がある。昨年英国に行つた時ある学者が私にこんな不満をうちまけた.それは2年程前日本からある種のアンケートをとる手紙がきたので多忙だつたが丁寧にそのアンケートに答えておいた.しかしその後御礼の手紙もこないしアンケートの結果がどうなつているかの返事もこない.アンケートをとることは一向に差支えないがお互の礼儀としてアンケートの集計ができた時にはその協力者に一応送りとどけることである.日本の学者は国際間のそのような習慣に馴れていないのではあるまいか.国に帰つたら何かの機会にこのことを話して日本の学者の注意を喚起しておいてほしいとのことであつた.国際間の協力はそのような礼儀があつてこそうまくできるのである.
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