解説
未熟児網膜症に関する正しい知識と理解を望む
馬嶋 昭生
1
1名古屋市立大学
pp.58-60
発行日 2004年1月15日
Published Date 2004/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410100511
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1.はじめに
日本でも未熟児網膜症(retinopathy of prema-turity:ROP)に対する硝子体手術が普及した反面,基礎的な教育がおろそかになってきたことが一部の識者から指摘されている。そのためか2001年末から,ROPの特集が「あたらしい眼科」1)と「日本の眼科」2)に組まれた。しかし厚生省分類や国際分類の設立に直接参加し貢献した眼科医も第一線を退く人が次第に多くなったためか,これらの特集に共通していえることは,現在活躍中の執筆者による記載に誤記や誤解があり,その後本「臨床眼科」誌に掲載された論文などにも誤りをそのまま踏襲した記載がみられるようになった。筆者は,国際分類設立委員会の日本委員3名のオーガナイザとして全4回の会議に出席した責任上,その経過と解説を1986年に詳しく報告3)し,1994年に全邦訳4)を表と図譜で示し,その後も論文や成書に記載したが,この解説が若い研究者や臨床医にとって,正しい知識と理解の啓発に役立つことを期待する。
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