今月の臨床 胎児診断—テクニックと評価
胎児からのサンプリング
23.絨毛検査
佐藤 孝道
1
Kodo Sato
1
1虎の門病院産婦人科
pp.832-834
発行日 1991年7月10日
Published Date 1991/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904954
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絨毛採取についてのカウンセリング
絨毛検査は羊水検査と同じく,機械的に行う検査ではない。①検査の目的となっている疾患の概略,②児にその異常が出現する危険率,危険率についての一般集団との比較,③検査法の概略,副作用,検査が不可能な場合の対策,検査結果が得られるまでの所要日数,羊水検査との比較,④誤診の可能性,⑤目的疾患以外の異常が児に起る危険率,⑥性別の告知について時間をかけて十分な説明を行い,そのうえで検査を受けるかどうかを夫婦自身に判断させる。Rh不適合妊娠の可能性がある場合は羊水検査を選択する。
絨毛検査を行っている全ての施設で,染色体検査や先天代謝異常症の検査を実施できるわけではないし,また染色体異常についても微少な異常の場合,診断が困難なことがある。できるだけ妊娠する前に専門施設に紹介しておいた方がよい。
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