今月の臨床 胎児診断—テクニックと評価
心拍数
3.光刺激テスト
辰村 正人
1
,
木内 誠
1
Masato Tatsumura
1
,
Makoto Kiuchi
1
1鳥取大学医学部産科婦人科学教室
pp.766-768
発行日 1991年7月10日
Published Date 1991/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904934
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
妊娠中の胎児well-beingの診断には,胎児心拍数図や胎動心拍数図が一般的で信頼性も高い。最近,より詳細で精度の高い胎児診断をするため,胎児刺激が試みられている。胎児刺激に対する胎児反応で胎児を評価するので,NSTに必要な検査時間が短縮され,時間節約もできるとされている。一般的な刺激法は,音振動試験(VAST,vibroacoustic stimulation test)であり,その有用性が報告されている1,2)。
一方,同じ感覚器官である光覚に対する胎児刺激試験については報告が見られない。発生学的に妊娠25週で網膜の杆状体と錐状体などの細胞が分化し3),また妊娠26週以降に出生した新生児では,閃光刺激で誘発脳波が得られることから4),胎児も閃光刺激に対し反応を示すものと推察される。
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.