臨床研修セミナー 手術手技
IV.子宮脱の手術
腟式単純子宮全摘出術と腟会陰形成術
工藤 隆一
1
,
高階 俊光
1
,
山内 修
1
Ryuichi Kudo
1
1札幌医科大学産婦人科学講座
pp.655-661
発行日 1990年8月10日
Published Date 1990/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904864
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子宮脱の手術術式には,大別して子宮全摘出を実施する手術術式と子宮を保存することを目的としたManchester手術ならびに高齢者で性生活の断絶も考えられ,かつ高度の合併症を有する患者に実施される腟閉鎖術がある。子宮下垂・脱は子宮頸部付着諸靱帯,すなわち膀胱子宮靱帯,基靱帯,仙骨子宮靱帯と恥骨頸部筋膜などの弛緩が主たる原因とする考えが多い。子宮下垂・脱には直腸脱を伴う場合がある。この直腸脱の原因として肛門挙筋の弛緩,離開が原因と考えられている3)。
一方子宮下垂・脱の原因として骨盤ヘルニア管の理論7)に立つ考えもある。この場合,肛門挙筋板の弛緩は重要な原因のひとつとなるものと考えられる。
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