今月の臨床 子宮全摘出術—私のコツ
腟式子宮全摘出術
6.腟式子宮全摘出術—私の術式
工藤 隆一
1
Ryuichi Kudo
1
1札幌医科大学産婦人科
pp.149-153
発行日 1993年2月10日
Published Date 1993/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901174
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腟式子宮全摘出術は子宮筋腫などの良性子宮腫瘍,子宮頸部異形成上皮・初期の子宮頸癌,子宮下垂・子宮脱などの疾患が手術適応となり術式として多くの利点を有している。すなわち腹部に切開創がないため腹壁瘢痕が欠如すること,術後の腸管癒着,腹膜炎あるいは腸閉塞は腹式手術より少ないこと,肥満した婦人にも容易に実施することができること,術後の創が小さいため痛みが軽度で,腹部の術創痛がないこと,治癒が早く入院期間が短いことなどがあげられる。このような利点を考えるとき適応となる症例には腟式子宮全摘出術を行うことが望ましいと考える。そこで本稿では,筆者が行っている主に子宮筋腫に対する全摘出術の術式1-3)と一部上皮内癌などの初期の子宮頸部癌に対する全摘出術,また子宮脱に対する全摘出術4)について補足を行いそれぞれの術式の要点について述べる。
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