臨床研修セミナー 胎児仮死
胎児モニタリング―Biochemical Point
金岡 毅
1
Tsuyoshi Kaneoka
1
1福岡大学医学部産婦人科学教室
pp.73-79
発行日 1990年1月10日
Published Date 1990/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904821
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胎児仮死とは,日本産科婦人科学会の定義によると「原因のいかんによらず胎児胎盤系の呼吸循環不全を主徴とする症候群」をいう。一方米国などでは,「胎児の無(低)酸素症,高炭酸症およびアシドーシス」をいうか,あるいは「酸素欠乏によって胎児の生命の停止がさし迫っている状態か,実際に生命の停止が発生した状態」をいう。
無酸素症が胎児・新生児に妊娠中,分娩中または出生直後に発生すると,脳中枢神経系を始めとする主要な臓器に無酸素性・虚血性病変が起こり,図1のような臨床症状が観察され,さらに脳死,脳性小児麻痺,水頭症,微小脳障害など脳中枢神経系の後遺症が続発する1)。
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